熊本の地震を受けて考える中古住宅購入で確認したい耐震性とリフォームのポイント

2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、最大震度7が観測されました。被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
大きな地震が起こるたびに、あらためて考えさせられるのが「今住んでいる家は大丈夫だろうか」「中古住宅を購入しても安全に暮らせるのだろうか」という住まいの耐震性です。
中古住宅は、立地や価格, 広さなどの選択肢が多く、自分たちらしい住まいをつくりやすいことが魅力です。一方で、購入する際には内装のきれいさや間取りだけでなく、建物の構造や劣化状況まで確認することが大切です。
「築年数」だけで判断しないことが大切
中古住宅の耐震性を考える際、まず目安になるのが建築された時期です。
特に確認しておきたいのが、1981年(昭和56年)6月頃を境にした耐震基準の違いです。それ以前に着工された住宅は、現在よりも前の「旧耐震基準」で建てられている可能性があり、国土交通省も耐震診断や耐震改修の検討を呼びかけています。
ただし、「新耐震基準だから必ず安心」「古い住宅だからすべて危険」と単純に判断できるわけではありません。
木造住宅については、2000年に地盤に応じた基礎の考え方や、柱・梁などの接合部、耐力壁の配置に関する基準がより明確になりました。2016年の熊本地震における国土交通省の調査でも、2000年以降に建てられた木造住宅は、それ以前の住宅と比べて倒壊率が低かったことが報告されています。
そのため、木造の中古住宅を検討する場合は、次の時期をひとつの目安として確認しましょう。
- 1981年5月以前に着工された住宅
- 1981年6月以降、2000年5月頃までに建てられた住宅
- 2000年6月以降に建てられた住宅
ただし、建築時期はあくまで判断材料のひとつです。実際の安全性は、現在の建物の状態も含めて確認する必要があります。
耐震性は「建てたときの基準」と「現在の状態」で決まる
同じ築年数の住宅でも、これまでのメンテナンスや増改築の内容によって、建物の状態は大きく異なります。
購入前には、基礎や外壁に大きなひび割れがないか、床に傾きがないか、雨漏りや腐食、シロアリ被害がないかなどを確認することが重要です。
また、過去のリフォームで壁や柱が撤去されていたり、増築によって建物全体のバランスが変わっていたりする場合もあります。見た目はきれいにリフォームされていても、建物の内部や構造までは分からないケースがあります。
売主様が保管している建築確認書類や図面、リフォーム履歴、点検記録なども、できる限り確認しておきましょう。
インスペクションと耐震診断は同じではありません
中古住宅を購入する際には、建物状況調査、いわゆる「インスペクション」を利用する方法があります。
インスペクションでは、建築士などの専門家が、基礎や外壁のひび割れ、雨漏り、傾きなど、建物に生じている劣化や不具合を目視や計測によって確認します。購入時点の建物の状態を把握するうえで、有効な調査です。
ただし、一般的なインスペクションは、建物の劣化状況を確認するものであり、地震に対する強さを計算して判定する「耐震診断」とは目的が異なります。
築年数が古い住宅や、増改築の履歴がある住宅、構造上気になる点がある住宅については、インスペクションだけでなく、耐震診断についても専門家に相談すると安心です。
中古住宅は「購入」と「リフォーム」を一緒に考える
中古住宅を購入してリフォームする場合は、物件を購入した後にリフォーム内容を考えるのではなく、できるだけ購入前から一緒に計画することをおすすめします。
購入前に建物の状態を確認しておけば、
- どの程度の耐震補強が必要なのか
- 希望する間取り変更が構造上可能なのか
- 耐震補強にどのくらいの費用がかかるのか
- 断熱改修や水まわり工事と一緒に施工できるのか
といった点を事前に検討できます。
例えば、壁を撤去して広いLDKをつくりたい場合でも、その壁が建物を支える重要な耐力壁であれば、単純に取り除くことはできません。別の場所に耐力壁を設けたり、柱や梁を補強したりする必要があります。
先にデザインや間取りだけを決めるのではなく、建物の安全性を確認したうえで、耐震補強と暮らしやすさを両立させることが大切です。
建物だけでなく、土地や周辺環境も確認する
地震への備えを考えるときは、建物の耐震性だけでなく、土地の状態にも目を向ける必要があります。
購入を検討している地域のハザードマップを確認し、次のような点もチェックしましょう。
- 土砂災害警戒区域に該当していないか
- 液状化の可能性がある地域ではないか
- 敷地や擁壁にひび割れや傾きがないか
- 過去に盛土や造成が行われていないか
- 避難場所や避難経路を確保できるか
どれだけ建物を補強しても、地盤や擁壁に問題があれば、災害時のリスクが高くなる可能性があります。建物と土地の両方を確認することが重要です。
補助制度を利用できる場合もあります
耐震診断や耐震改修については、自治体によって補助制度が設けられている場合があります。
広島市では、2026年度も一定の条件を満たす1981年5月31日以前に着工された木造住宅などを対象に、耐震診断や耐震改修等の費用を支援する制度が設けられています。制度を利用する場合は、工事の契約前に申請が必要となることがあるため、早めの確認が必要です。
対象となる住宅や募集期間、補助金額は地域や年度によって異なります。物件の購入や工事を決める前に、自治体や専門会社へ相談しましょう。
安心して暮らせる家に生まれ変わらせるために
中古住宅だから危険、新築だから絶対に安全、ということではありません。
大切なのは、建築された時期や図面だけで判断せず、現在の建物の状態を専門家と一緒に確認することです。そのうえで、必要な耐震補強をリフォーム計画に組み込むことで、中古住宅を安心して長く暮らせる住まいへと生まれ変わらせることができます。
マエダハウジングでは、中古住宅探しから建物の状態確認、資金計画、耐震・断熱を含めたリフォームまで、住まいづくりを一緒に考えています。
「この中古住宅はリフォームして住み続けられる?」
「耐震補強にはどのくらい費用がかかる?」
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